365日、いつまでもふたりで
「……っ、誰のせいだと思ってんだよ」



突然、車が停止する。



「……元太?」


「俺の気持ちまったく気づいてないわけじゃねぇよな?」


「……っ」



元太があたしに好意を持ってくれてることは、前々からかんじてた。
でも、あたしには竜くんがいるし元太の気持ちに応えることはできない。



「なぁ、誰なの?お前のこと持ってったの」


「え?」


「前は俺とちゃんと向き合ってくれた。でもいつからか、壁ができてたんだよ……。彼氏できたんだろ?」



苦しそうな顔をする元太に胸が痛くなる。



「……元太」


「勝手なことばかり言ってごめん。でも、俺の気持ちはどうしても変えれなくてさ」


「……ごめん」



こんなことを言わせてしまって心底苦しかった。
元太のことは、人としてはすっごく好きだから。

でも、恋愛感情はそこにはなくて。
あたしの恋愛感情は一人の人にしか向いてない。

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