この声が消えても君に好きだと伝えたい。
「あ、梨香おはよ~!!」
「あっおは……なんか、いつにも増して猫背じゃない?」
「うそ?」
「ほんと。てか、昨日連絡したんだけど、みた?」
「ごめん!昨日すぐ寝てスマホ充電なくて切れててさ!」
「はあ~…あんたのこと探しに来てたよ」
「誰が?」
「佐野くん」
「そうなんだ~……え?さ、さの?とと、斗真くん?」
「うん。昨日返しに行ったの?」
「行ったけど…すごく失礼なことして逃げちゃった」
「え…なにしたの…」
梨香の両肩を掴んで激しく揺さぶりながら
「それ怒りに来たのかなあ!?ねえ!!やっぱ土下座するべき!?梨香~!!」
と、嘆き始めた
「ちょ、離しっ……」
揺さぶりに抵抗していた梨香は
急に、教室のドアの方に視線を向けた
「あ、ほらお呼び出し。行ってきな」
そう言って、私をくるりと回転させ
背中を押した
ドアの方を見ると
「柊 乃愛いる?」
愛しい人がそう言ってドアのところに立っていた
「あの、私…です」
微かに震える手を握りしめ
顔を伏せ気味にしながら小さな声でそう言った
「あ、いたいた。ちょっといい?」
やばい!!!!怒られる!!!!!
一気にヒヤッとした汗が出る
「ははは、はぃぃいいいい!」
と、同時にこの変な返事を返した