この声が消えても君に好きだと伝えたい。
違和感の毎日
あれから数日経った
「梨香~おはよ~ゲホッゲホッ」
「え、ちょっと。まだ治ってないの!?」
「ん~、熱ないんだけどなあ。」
「最近の風邪は、熱が後からくるらしいよ」
「え、そうなの?」
「うん。一応風邪薬飲み続けたらいいかもね。」
「そうしてみる~」
今の時代、風邪薬という便利なものがあるから
咳くらいでは病院に行こうなんて思わなかった
「あ!そろそろ斗真…ゲホッくんが来る!」
いつも通り教室の窓を開けて斗真くんを探し始めた
「あっ!斗真くんおはっ……ゲホッゲホッ!!!」
「お、お前大丈夫かよ…」
「大丈夫だよ!ただの風邪!!」
「そっ…」
「あ!今日も大好き!斗真くん!」
「はいはい。」
斗真くんのお出迎えも終わって
普通にいつも通り授業を受けていた
「ケホッ…ケホッ…」
「おい、柊。大丈夫かよ」
「うん。ごめんねっ。」
周りの席の子たちが私をちょくちょく気にかけてくれた
……おかしいな。こんなにのど熱くなるっけ。
咳をするたびにじんじん熱く痛く
出る咳も枯れたような咳だった
その症状はずっと続いた
いずれ良くなるだろうと思って放っておいたけど
症状は悪化するばかりだった。