愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
「発売記念パーティーでお前もいるとなれば、少しは寛大になってくれると思ってな。相手は女性向けのアプリゲームを作成しているところなんだ。だからお前を同伴させた。……不本意だが、今日は頼む」

「副社長……」

不本意だなんて、そんな頼み方ある? でもこれが副社長なのかもしれない。

口は悪いし、感情を表に出さない人だけど、ただ単に不器用な人なんじゃないのかな? そして誰よりも会社のことを考えている人。

副社長が就任後、明らかにうちの業績はアップしている。それは彼が並々ならぬ努力をしているからだよね?

断られても、こんな風に何度も訪ねている副社長の努力があってこそだったんだ。

それなのに私は秘書になりたての頃、簡単に外出の際は同行したいです! なんて軽々しく言って……。


連れていってもらえるわけないじゃない。無知でなにも知らない私が行っても邪魔になって迷惑なだけだ。だからこそ副社長はあの分厚いファイルを私に渡してくれたんだ。
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