愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
副社長は毎回秘書がつくたびに、いつもあのファイルを渡してくれていたのかな? 基本的なことを叩き込ませるために。本当は秘書を必要としていた?
「お前はただ、俺のそばにいてくれればいいから。にっこり笑っていればいい」
会場の中心部まで来ると副社長は足を止め、私の肩から手を離した。そして真剣な面持ちで私を見つめてくる。
「意外と女性が一緒にいると、寛大になるクライアントもいるんだ。所詮男は女に弱い」
淡々とした口調でとんでもないことを言っておりますが。――けれど、それなら私にだってできることがあるよね。
「わかりました! 私にできることを精いっぱいさせていただきます!!」
両手拳をギュッと握りしめ、彼に伝える。すると副社長は少しだけ目を見開いたあと、口元を緩めた。
「期待していないけど、精いっぱいって言葉には期待しているからこそ、連れてきた」
「――え」
「言っただろ? お前が。今、自分にできることを精いっぱいやろうと思っているって。……そういう奴、嫌いじゃない」
な……にそれ。
ドクンと胸が音を立てた。
『そういう奴、嫌いじゃない』だなんて、最高の褒め言葉だ。
「お前はただ、俺のそばにいてくれればいいから。にっこり笑っていればいい」
会場の中心部まで来ると副社長は足を止め、私の肩から手を離した。そして真剣な面持ちで私を見つめてくる。
「意外と女性が一緒にいると、寛大になるクライアントもいるんだ。所詮男は女に弱い」
淡々とした口調でとんでもないことを言っておりますが。――けれど、それなら私にだってできることがあるよね。
「わかりました! 私にできることを精いっぱいさせていただきます!!」
両手拳をギュッと握りしめ、彼に伝える。すると副社長は少しだけ目を見開いたあと、口元を緩めた。
「期待していないけど、精いっぱいって言葉には期待しているからこそ、連れてきた」
「――え」
「言っただろ? お前が。今、自分にできることを精いっぱいやろうと思っているって。……そういう奴、嫌いじゃない」
な……にそれ。
ドクンと胸が音を立てた。
『そういう奴、嫌いじゃない』だなんて、最高の褒め言葉だ。