愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
今日もまた例外ではなく、注文を済ませ料理や飲み物が運ばれてきても、紗枝はずっとどれだけ副社長はゲームキャラにそっくりかと、力説してくる。


「私も見たかったなぁ、菜穂美がドジッ子キャラのド定番なこけ方して、見事に手にしていたシャンパンを取引先の社長の頭にぶっかけて?」

そこまで言うと紗枝は「クククッ」と声を押し殺して笑い出した。


「もう、何回笑えば気が済むのよ!」

「だって~……! 夢にも思わないじゃない? いくら菜穂美がやらかす子だと知っていても、まさか取引先の社長に転んでシャンパンかけるとか……!」


紗枝は机をバンバン叩いて笑っている。その姿を恨めしく睨んでしまった。

この前の話を噂で聞いた紗枝に、すぐに問い詰められた。『いったいどういうことなの? なにがあった!?』と。

すごい剣幕で言われては堪えないわけにはいかず、一部始終を話したわけだけど……。


紗枝は今みたいに私が緒方社長に頭からシャンパンかけてしまったことを話すと、お腹を抱えて笑い出したのだ。それは二週間経った今も変わらず。
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