愛され任務発令中！～強引副社長と溺甘オフィス～

「お疲れさまです」

立ち止まり丁寧に頭を下げると、なぜか代表は私の前でピタリと立ち止まり、ニコニコしながら眺めてきた。

「あの……？」

どうしたのかな？　もしかして今日の私、どこか変とか？

そんな不安が頭をよぎった時、彼はとんでもないことを大ボリュームで口走ったのだ。


「いや、我が息子の嫁は可愛いなと思ってな」

「…………へ？」

よっ……嫁!?　私が？　副社長の!?


先ほどまで騒がしかったオフィス内は、代表のとんでもない発言に、一瞬にして静まり返ってしまった。

なのに代表は気にする素振りなど見せず、相変わらず「がハハッ！」と豪快に笑いながら言った。


「俺としては孫は女の子がいいな。和幸と小山さんの子供だ。絶対に可愛いと思わないか田中」

とんでもない無茶ぶりに田中さんは焦る様子も見せず、淡々と述べた。

「それは同感です。きっと大変可愛らしいお嬢様がお生まれになるかと」

「だろう～？　あぁ、楽しみだな！　孫をこの手で抱ける日がくるのが」

どんどん飛躍していく話に、空いた口が塞がらない。