愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
「それにしても本当……菜穂美がどうしてうちの会社に入社できたのか謎だわ」

「それは私が一番思っているから」

こうやって実際に働き始めた今も、正直どうして採用してもらえたのか謎だったりする。


「面接官はあの完璧鉄人秘書の田中さんだったわけでしょ? ますます謎だわー」

「もう早く食べちゃわないと昼休み終わっちゃうよ」


真実とはいえ、聞かされているこっちはあまりいい気分はしない。

フォークにパスタを巻きつけ、パクパクと口に運んでいく。


「あ、そういえば知ってる? また副社長の秘書クビになったらしいよ」

「え……あれ? 先月からだったよね? 新しい人」

「今回の人は一ヵ月の命だったね」


我が社では代表、副社長にそれぞれ秘書がついている。それだけ多忙な仕事だから。

代表には創立当時から田中さんという優秀な秘書がついているんだけど、副社長は違う。


と言っても、私も紗枝も先輩から聞いた話だから真実かどうかわからないけれど、なんでも就任当初から今までに彼の秘書に就いた社員は数知れずらしい。
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