愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
「すみません! 資料の方……間違って違うものを持って来てしまいました!!」
潔く真実を述べ、そろりと顔を上げると、ふたりとも瞬きもせず私を凝視していた。
けれど少し経つと、緒方社長は声を上げて笑い出し、副社長は額に手を当て深い溜息を漏らした。
「アハハハッ! まさかここまで期待を裏切らないドジッ子ぶりを披露されるとは……! もしかして一之瀬副社長が俺を喜ばせるために、仕込んだんじゃないですか?」
よほどツボに入ったのか、涙を拭いながらとんだ疑いを副社長にかけてきた緒方社長。
「いいえ、違います! 私が間違って持ってきてしまったんです」
すぐさま弁解すると、副社長も頭を下げた。
「申し訳ありません。私の方でも確認してくるべきでした」
あぁ、私ってばまた副社長に頭を下げさせるようなことをしてしまった。なにやっているのよ、本当に。後悔でいっぱいになってしまう。
「いいえ、おふたりともお気になさらずに。それに失礼ながら、ちょっとこうなることを期待していたんですよ」
「――え?」
意味がわからず副社長と共に緒方社長を見つめてしまうと、彼は微笑んだ。
潔く真実を述べ、そろりと顔を上げると、ふたりとも瞬きもせず私を凝視していた。
けれど少し経つと、緒方社長は声を上げて笑い出し、副社長は額に手を当て深い溜息を漏らした。
「アハハハッ! まさかここまで期待を裏切らないドジッ子ぶりを披露されるとは……! もしかして一之瀬副社長が俺を喜ばせるために、仕込んだんじゃないですか?」
よほどツボに入ったのか、涙を拭いながらとんだ疑いを副社長にかけてきた緒方社長。
「いいえ、違います! 私が間違って持ってきてしまったんです」
すぐさま弁解すると、副社長も頭を下げた。
「申し訳ありません。私の方でも確認してくるべきでした」
あぁ、私ってばまた副社長に頭を下げさせるようなことをしてしまった。なにやっているのよ、本当に。後悔でいっぱいになってしまう。
「いいえ、おふたりともお気になさらずに。それに失礼ながら、ちょっとこうなることを期待していたんですよ」
「――え?」
意味がわからず副社長と共に緒方社長を見つめてしまうと、彼は微笑んだ。