愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
一緒にいた副社長の存在に気づいた麻生さんの声に、思い出す。副社長の存在に。
彼の方を見ると、状況が理解できていない様子。でも、確実に聞かれてしまったはず。私が麻生さんに「アホ美」なんて呼ばれていたことを。
「あっ! もしかしてアホ美の上司ですか? こいついっつも失敗ばかりで大変でしょう? 俺もアホ美にはどれだけ苦労させられてきたか。……上司とはいえ、コイツの面倒見ないといけないなんて大変ですね」
「……っ麻生さん!」
やめて、どうして副社長にそんなこと言うの? 元カレだったら、なんでも言っていいと思っているの?
喉元まで出かかった言葉。けれど戸惑っている副社長を見て思い留まる。
こんなこと彼の前で言いたくない。過去のこととはいえ、麻生さんと付き合っていたこと、知られたくないと思ってしまったから。
なのに麻生さんの口は止まらない。
「あ、俺ここで開発リーダーとして働いているんだ。お前も鼻が高いだろ? 元カレが成長著しい会社の開発リーダーだなんて」
「……やめてください!」
思わず大きな声を出してしまった。一番知られたくなかったのに、それを言われてしまったんだから。
途端に麻生さんは顔を引きつらせた。
彼の方を見ると、状況が理解できていない様子。でも、確実に聞かれてしまったはず。私が麻生さんに「アホ美」なんて呼ばれていたことを。
「あっ! もしかしてアホ美の上司ですか? こいついっつも失敗ばかりで大変でしょう? 俺もアホ美にはどれだけ苦労させられてきたか。……上司とはいえ、コイツの面倒見ないといけないなんて大変ですね」
「……っ麻生さん!」
やめて、どうして副社長にそんなこと言うの? 元カレだったら、なんでも言っていいと思っているの?
喉元まで出かかった言葉。けれど戸惑っている副社長を見て思い留まる。
こんなこと彼の前で言いたくない。過去のこととはいえ、麻生さんと付き合っていたこと、知られたくないと思ってしまったから。
なのに麻生さんの口は止まらない。
「あ、俺ここで開発リーダーとして働いているんだ。お前も鼻が高いだろ? 元カレが成長著しい会社の開発リーダーだなんて」
「……やめてください!」
思わず大きな声を出してしまった。一番知られたくなかったのに、それを言われてしまったんだから。
途端に麻生さんは顔を引きつらせた。