愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
直に感じるぬくもりに戸惑いを隠せない。ドキドキしているのが、副社長に伝わってしまいそう。

胸の高鳴りを必死に鎮めようと試みていると、副社長はボソッと囁いた。

「言っただろ? 辛い時に無理して笑うなって。……悪かったな、つらい話をさせてしまって」

副社長……。

彼の手が私の背中や頭を優しく撫でていく。それだけで涙が溢れそうになる。


「でも聞かせてもらったからこそ、言わせてもらう」

そう前置きすると、副社長はゆっくり私の身体を離した。それでも目と鼻の先に彼がいて。至近距離のまま真剣な瞳を向けられた。

「お前は今のままでいいのか?」

「……今のまま、ですか?」

聞き返してしまうと、副社長は大きく頷いた。

「いつまでもそうやって引きずって、あいつと会ったら逃げ出して。そのままでいいのか?」

「それは……」

いいわけがない。私だっていい加減、彼のことは忘れたい。忘れて新しい恋愛がしたいから。

だけどいくら頭ではそうしたいって思っていても、心はついてきてくれない。

すると副社長は訴えるように言った。
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