愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
さっきのはどういう意味なんだろう。『俺に任せろ』って言ったけど……。

気になるものの、運転に集中する彼に聞けない雰囲気だ。

それに私、自分でも驚くほどスッキリしている。

副社長に話を聞いてもらえて、そして彼に言われた言葉が胸の奥に響いた。


『いつまでもあんな最低な男の言動に振り回されて、悔しくないのか? 幸せになって見返してやりたいと思わないのか?』『できるさ。ただチャンスがなかっただけ』


紗枝に打ち明けて、度々励ましてもらえて。少しずつでも前に進めていると思っていた。でも結局は全然前に進めていなかった。

けれどそれは、あの日以来、ずっと彼と会わなかったからかもしれない。

だから忘れることができなかった。いつまでも引きずっていたのかも。


こんなタイミングで再会しちゃうなんてって悲観的になっていたけれど、逆にこれはチャンスなんじゃないのかな?

麻生さんが勤めている会社と今後契約をして、付き合いが長くなる。会おうと思えば会えるんだ。

過去の苦い思い出とさよならできるかもしれない。
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