愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
力強い瞳に射貫かれたように、瞬きすることもできない。けれどきっと答えないと、この状況を変えることはできないはず。

彼の瞳に映る自分の戸惑う顔を見ながら、肯定するように頷いた。

すると副社長は苦し気に顔を歪め、さらに私との距離を縮めてきた。

びっくりして咄嗟に下がろうとしたものの、私のすぐ後ろはシンク。逃げ場などない。

すると副社長はさらに私を混乱させることを言い出した。

「じゃあその先は……? それもあいつが初めて?」

そっ、その先……? それってつまりあれですか? あのことですか?

副社長が言いたいことがわかってしまった途端、みるみるうちに身体中が熱くなってしまう。


「いっ、一体どうしちゃったんですか? どうしてそんなこと聞くんですか?」

これにはさすがに声を荒げてしまった。すると副社長は私を捕えたまま言った。

「気に入らないからだよ。……お前の初めてがすべてアイツだったってことが」

「――……え」

苦し気に放たれた言葉に、大きく目を見開ていしまう。

気に入らないってどういう意味? それって……。
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