愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
トクントクンと早鐘を鳴らす胸の鼓動。副社長にも伝わってしまっているんじゃないかと心配してしまうほど、ドキドキしてしまっている。

それでも副社長から視線をそらすことができずにいると、彼は親指で私の下唇に触れた。

「あんなやつに唇、奪われたのかと思うと腹が立つ」

「な……にを言って……っ」

「なにを言っているんですか?」その言葉が最後まで続かなかった。

「んっ……」

強引に後頭部に手が触れると、あっという間に唇を奪われてしまったから。


一瞬なにが起きたのか理解できなくて頭の中が真っ白になってしまったけれど、目の前には瞼を閉じた副社長の顔が視界いっぱいに広がり、触れる唇の感触に次第に副社長にキスされている……と認識させられていく。

それも何度も角度を変えてキスを落とされるほどに。


いつの間にか背中に手が回され、グッと身体を引き寄せられていて、口づけは深くそして甘く蕩けるものに変わっていく。

「副社長っ……」

息苦しくてキスの合間に漏れてしまった吐息混じりの声。
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