愛され任務発令中！～強引副社長と溺甘オフィス～

田中さんの言う通りだ。副社長の体調管理も秘書の大切な仕事だよ。それなのに最近の私は？　自分のことばかりで、ここ三日間、まともに副社長の顔を見ていない。


今日の副社長の顔色はどうだった？　変わった様子はない？

だめだ、全然思い出せない。


急いで開発部へ向かい、空いている日を聞き出して副社長室へと戻っていく。

そういえば昨日から一度も「珈琲頼む」って言われていない。ただ単に私は副社長と顔を合わせずに済んでラッキーなんて、浅はかな思いでいたけど、どうしたのかな？　必ず毎日朝と午後の二回、飲んでいたのに。


考えれば考えるほど不安が募る。けれど副社長室に戻った時、彼の姿はなかった。

「嘘……どこに行ったの？」

自分のデスクに戻ると、そこには見慣れない付箋が。


付箋には【外に出る。開発部の予定はメモに残しておいてくれ。遅くなるから定時で上がるように】と書かれていた。

「定時で上がるように……ってことは、副社長はその時間まで帰ってこないってことだよね？」

ますます彼の体調が心配になる。

いくら明日から休みとはいえ、大丈夫だろうか。無理していない？