愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
てっきり渡されるのかと思って手を伸ばしたけれど、副社長自らタオルで濡れた身体を拭いてくれた。

「……うん、大丈夫そうだ」

珈琲がかかってしまった太ももを見て、安心したように肩を落とした彼の姿に、胸がキュンと鳴ってしまう。


どうして副社長はこんなに優しいのかな? 両想いになれた今も、こうやって彼の優しさに触れるたびに好きにさせられていく。


胸を高鳴らせながら彼を見つめてしまっていると、私の視線に気づいた副社長はクスリと笑みを零した後、なんの前触れもなくキスと落としてきた。

すぐに離れていく唇。けれどすぐに副社長は私の耳元に顔を寄せ囁いた。

「せっかくだから、このまま一緒にお風呂入ろうか」

「…………えっ!?」

一緒にお風呂!?

オーバーに驚いてしまった私を見て、副社長はニヤリと笑う。

「お互い服が濡れたし、いいだろう? たまには」

「たったまにはって……!」

というか一度も副社長とふたりでお風呂に入ったことなんてないですけど!?

テンパってしまっていると、彼は追い打ちをかけてくる。
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