愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
体育座りのまま膝を両手で抱えてしまうと、背後では彼がクスッと笑うとギュッと私の身体をさらにきつく抱き寄せた。

さらに密着する身体に体温が上昇してしまう。


「ふ、副社長……?」

ドキドキし過ぎて声を上擦らせながらも呼ぶと、彼は私の身体を背後からきつく抱き寄せたまま尋ねてきた。

「母さんに会うのが嫌じゃないなら、もしかして不安……?」

「……それは」

咄嗟に顔だけ後ろへ向けると、不安げに瞳を揺らす彼と視線がかち合う。

切れ長の瞳に見つめられると、まるで金縛りにあったかのように視線を逸らせなくなってしまう。

「聞かせろよ、お前の気持ち」

真剣な瞳で射貫かれてしまうと、嘘をつけないよ。

私の話を聞いた副社長がどう思うかわからないけれど、今の正直な気持ちを零していった。


「副社長のお母さんが私に会いたいのは、その……副社長の彼女として相応しいか見定めしたいのかなと思うと、不安で仕方なくて……。こんな私では、気に入られる自信がないので」
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