愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
緊急任務『喧嘩のあとは仲直りして……プロポーズされよ!?』
「……おい、いつまでむくれているつもりだ? 俺はちゃんと謝ったよな?」


壁際に私を追い詰め、厳しい口調でどこか苛々しているようにも聞こえる声で言われたって、私は一貫して無視を決め込んだまま。

すると彼は小さく息を漏らした。

「仕方ないだろ? 俺だってしたくてしたわけじゃない」

不服そうな表情で言われても心になにも響かない。


週末の金曜日。時刻は二十時過ぎ。十八時から彼とお世話になっているクライアントの創立記念パーティーに出席していた。


以前との彼とは違い、度々笑顔を見せるようになった途端、仕事も今まで以上に順調に進んでいて、得意先が増えるばかり。

最近の和幸くんは社内でも物腰が柔らかくなったから、ファンが大急増。もちろんそれは社内に限った話ではない。

成長著しい会社の副社長であり、跡取り息子。おまけに独身とくれば常に女性に狙われていると言っても過言ではない。
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