愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
例えば運動会では、大事な場面で転んだり。

練習ではばっちりだったのに、発表会本番で失敗したり。

努力は人一倍してきたはずなのに、昔からそれが報われたことはないかもしれない。


高校受験や大学受験で失敗しないか心配した両親に、中学から大学までエスカレーターで上がれる私立校を勧められ、どうにか合格し大学までは平穏に暮らしてこられた方だと思う。


まぁ……小さな失敗は多々あったけど。


そして迎えた魔の就職活動。そこで私は面接室に入り、席に着くまでの間に豪快にコケるという大失態をしてしまったわけで……。


絶対内定なんてもらえないと思っていた。その後の面接もテンパってしまって、なにを話したのか記憶にないくらいだし。


だけど人生とは本当、なにが起こるか分からないもので。見事に内定をもらうことができ、こうして働けているわけだけど……。


「うーん……まぁ、うちの職場、珈琲好きの人多いし、どうにか消化できるかな」

苦笑いしながらも寛大な上司には頭が下がる。

「本当にすみません!」
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