愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
私がミスしてしまったのは、社内で従業員が利用している無料の珈琲メーカーに補充する珈琲の量。

間違って大量に発注してしまったのだ。

「これからはちゃんと数を確認して発注しないとだめだからね」

「はい! それはもう細心の注意を払います!!」


咄嗟に敬礼してしまうと、上司で私より五歳年上の野原剛(のはらつよし)主任はクスリと笑った。


都内のオフィス街、地上四十五階建てビルの三十階から三十三階のフロア全体に私が勤める『有限会社クラルテプロモーション』がある。

主にwebサイトの企画・制作・運営支援および管理業務や、webサイト全般に関するコンサルティング業務を行っている。


毎年順調に業績を伸ばしており、同業界からは注目を集めている。

設立当初より規模も大きくなっており、従業員数も今では七百名を超えている。


私が配属されたのは総務部。社内文書作成や備品管理、会議や社内イベントの企画運営など多岐に渡る。いわゆる『なんでも屋さん』だ。

総務部には野原主任を始め、十五名が在籍している。
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