愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
「今だっていろいろやらかして社内ではちょっとした有名人なのに、副社長の秘書最短記録保持者になっちゃったら、ますます社内で目立っちゃうじゃない」

「アハハッ! やだ菜穂美ってば面白い~」

「面白くないから!」


なぜかツボに入ったようで、紗枝はゲラゲラと笑い出したものだから、思わず突っ込んでしまった。

紗枝はしばし笑った後、落ち着かせるように「ふぅ」と息を吐き、再び私と向き合った。


「例えそうなったとしても、いいじゃん! 大事なのはチャレンジすることじゃないの? 確かに菜穂美はやる気が空回りして、いつもなにかしらやらかしちゃうけどさ、パソコンスキル高いし英語ペラペラだし。なにより誰に対しても好感持てる態度で一生懸命でしょ? 秘書に向いていると思うけど。さすがは田中さんよ、人を見る目あると思うよ」


「紗枝……」

友達からの最高の褒め言葉に、胸が熱くなってしまった。


「だからさ、前向きに考えてみたら? それにあんたは入社以来、散々やらかしてきたんだから、今さらやらかしたって、誰も驚いたりしないって!」

「ちょっと!?」
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