愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
襲われた痛みに耐えながらも顔を上げると、すぐに大きな手が差し伸べられた。

「申し訳ありませんでした、急にドアを開けてしまい」

その声は田中さんで「すみません」と言いながらも、彼の手を取るとあっという間に立ち上がらされた。

けれど、そこでやっと冷静になる。

突然開いたドアに頭の中が真っ白になってしまっていたけれど……。


恐る恐る田中さんの先にいる人物の方を見ると、代表と副社長がこちらを見ては目をパチクリさせていた。

どっ、どうしたらいい? この状況……!

完全に私、盗み聞きしていたと思われていない!? いや、実際はそうなんだけど、でも……!


ひとりアワアワしてしまっていると、田中さんが私の足元を見て声を上げた。

「小山さん、ストッキングが……」

「え? ストッキング、ですか?」

彼に言われるがまま自分が履いているストッキングを見ると、あろうことかまた伝染してしまっていた。


「嘘、またっ……!? さっきコンビニで買ったばかりなのに……!」

思わず声に出して言ってしまうと、急に代表が堪え切れなくなったように噴き出した後、大声で笑い出した。
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