愛され任務発令中！～強引副社長と溺甘オフィス～

「アハハハッ！　だめだ、朝から腹がっ……！」


よほどツボにハマったのか、代表はお腹を抱えて笑い出し、あの田中さんにも口元を押さえて後ろを向いた後、「失礼しました」と言われてしまう始末。


いや、冷静に考えれば笑われて当たり前だと思う。コケるしストッキング伝染したの二回目だって自分から暴露しちゃったし。

けれどこんなにも笑われて、あの田中さんにまでともなると、恥ずかしくて居たたまれない気持ちになる。

おまけに副社長に関しては呆れているのか、私に背を向けたまま。

そんな私に田中さんは咳払いをした後、耳を疑うようなことを言い出した。


「急いで新しい物をご用意いたします」

え、ご用意ってもしかして……！

ギョッとしている間に田中さんはスタスタと代表室を出て行く。

もしかしてもしかしなくても、田中さん買いに行くつもりですよね!?

「あ……っ！」

さすがにそれは恐れ多くてすぐに後を追い掛けようとしたけれど。

「今から追い掛けても、追いつかないと思うぞ？　田中、歩くの速いから」

すぐに代表に止められてしまった。