愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
「さっきは笑ってしまい、すまなかった。あまりに小山さんが愉快な方で思わず……」

そう言いながらも、思い出したのか慌てて口を押さえる代表に顔が引きつってしまう。

けれど代表はすぐに席払いをし、私に部屋の中へ来るようにと手招きした。

「小山さん、どうぞこちらへ」

「あ……えっと、はい」

こちらへってことは、副社長の近くにってことだよね?


一瞬躊躇してしまったものの、彼の秘書をやろうとしているのに、近くに行くことに躊躇っている場合ではないと自分を奮い立たせ、ゆっくりと足を進めていく。

「……失礼します」

それでも副社長の隣に立つのが忍びなくて、そんな言葉が出てしまった。

けれどいざ隣に立ったものの、彼を見ることができない。

そもそも私、副社長とこんなに近づくのは初めてだ。いつも通り過ぎざまに挨拶を交わすだけだから。


変な緊張感に襲われる中、代表は私と副社長を交互に見ては、なにやら満足気に微笑み何度も頷き始めた。

「うんうん、いいじゃないか。こうやってふたり並ぶとお似合いだ」

「――え」
「は?」

おっ、お似合い……?
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