愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
「お気になさらずに。それよりも早めにお着替えなさった方がよろしいかと。……たしか本日は副社長、外出の予定が入っていたと思いますので」

「えっ! 本当ですか!?」

ギョッとした私に、代表は立ち上がり話しながらこちらに向かってきた。


「小山さん、和幸の秘書としての仕事はただひとつ。なにがなんでもあいつのそばを離れないでやってくれ。あいつは自分ひとりで動いた方が早いと思っているから、すぐひとりで行動してしまうんだ」

私の目の前まで来ると、代表は人差し指を立て力説し始めた。


「そのおかげであいつの暴走は止まらず、クライアントから苦情がくる。どうかなにを言われても、あいつのそばにいてくれ」


ちょっと意味深なセリフにドキッとしてしまうも、大丈夫。ちゃんと深い意味はないと理解できているから。先ほど代表から副社長の話を聞いたからこそ余計に。

「わかりました、精いっぱい頑張らせていただきます!」

いろいろと衝撃すぎて頭がパンク状態だけど、でも代表や田中さんの期待には応えたい。
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