愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
田中さんに教えてもらった外出の際の車の手配などのマニュアルを思い出していると、副社長から信じられない言葉が飛び出した。
「いや、俺ひとりで行くからいい」
「え……でも」
戸惑う私を尻目に彼は立ち上がり、外出する準備を進めていく。
「お前が来たって邪魔になるだけだ。第一、俺が請け負っているクライアント先などなにも把握していないよな?」
そう言うと副社長はデスクにあった一冊の分厚いファイルを差し出した。
「えっと……これは?」
首を傾げる私に、彼はやっぱり無表情で言った。
「俺が担当している取引先のデータ。それと担当者名刺も一緒にファイルしてある。秘書の仕事はもちろん、これをすべて覚えるまでは、同行させるつもりはないから」
「これを全部ですかっ!?」
乱暴に渡されたファイルと副社長を交互に見つめてしまう。
手にしただけでずっしり重くて、なによりページ数がハンパない。こんなのすぐに覚えられるわけがない。そもそも全部覚えられるのか? 私に。
「いや、俺ひとりで行くからいい」
「え……でも」
戸惑う私を尻目に彼は立ち上がり、外出する準備を進めていく。
「お前が来たって邪魔になるだけだ。第一、俺が請け負っているクライアント先などなにも把握していないよな?」
そう言うと副社長はデスクにあった一冊の分厚いファイルを差し出した。
「えっと……これは?」
首を傾げる私に、彼はやっぱり無表情で言った。
「俺が担当している取引先のデータ。それと担当者名刺も一緒にファイルしてある。秘書の仕事はもちろん、これをすべて覚えるまでは、同行させるつもりはないから」
「これを全部ですかっ!?」
乱暴に渡されたファイルと副社長を交互に見つめてしまう。
手にしただけでずっしり重くて、なによりページ数がハンパない。こんなのすぐに覚えられるわけがない。そもそも全部覚えられるのか? 私に。