愛され任務発令中！～強引副社長と溺甘オフィス～

「もしかしてお前、どこか悪いのか？」

目をパチクリさせてしまう。

だってこれは……もしや副社長は私のことを、心配してくれているのだろうか。いや、でもこの副社長が人の心配をする？

頭の中で思いを巡らせていると、彼は怪訝そうに眉を寄せた。


「どうなんだ？」

答えを急かしてきた副社長にハッとし、慌てて声を出した。

「いいえどこも悪くありません！　ただその……」

声を詰まらせると、彼は眉を顰める。

「なんだ？　言いたいことがあるならはっきり言え」


容赦なく言ってくる副社長にたじろいてしまう。……でもこれはもしや、彼と少しでも距離を縮めるチャンスなのかもしれない。

そう自分を奮い立たせ、ジッと私を見据える彼の瞳を捕らえた。

「あの……今の自分にできる、精いっぱいのことをしようと思いまして」

しどろもどろになりながらも、自分の思いを伝えていく。


「もちろん副社長からお預かりしたファイルを今も必死に覚えているところです！　ですがその……えっと、なにも副社長の外出に付き添ったり、スケジュール管理をすることだけが、秘書の仕事ではないと思いまして」