愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
任務その⑤『ドレスアップで副社長を虜にせよ?』
「小山、この書類シュレッダーかけておいて」

「はい!」

週が明けて、いよいよパーティーを明日に控えた今日。私は副社長に仕事を与えられてホクホクしていた。


先週のあのやり取り後、副社長は簡単な雑用なら私に任せてくれるようになった。傍から見たら「雑用でしょ?」って言われてしまうかもしれないけれど、相手はなんていったって、なんでも自分ひとりでやってしまうあの副社長。


例え雑用でもすごいことだと、自分で思ってしまっている。

オフィスに出て、コピー機の隣にあるシュレッダーで頼まれた書類を鼻歌交じりにかけていると、気配なく背後から声が聞こえてきた。


「なにかいいことでもございましたか?」

「ひっ!?」

身体を大きく反応させ、悲鳴にも似た声を上げてしまう。心臓をバクバクさせたまま振り返ると、立っていたのは田中さんだった。

「申し訳ありません、驚かせるつもりはなかったのですが……」

「い、いいえこちらこそすみません。オーバーに驚いてしまって」

びっくりした。田中さんってばいつの間に来たんだろう。
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