愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
「そう、でしたか。……驚きです、あの方がパーティーに誰かを連れていくなんて」

「え……?」

それってもしかして副社長、これまでパーティーに参加する際、秘書を同行させたことがなかったってこと?

信じられなくて、今度は私が目を丸くさせてしまう。すると田中さんは眼鏡の奥に見える目を細めた。

「小山さんは相当副社長に、気に入られているようですね」

「そんな! とてもじゃないですけど、そういう風には思えません」

あの副社長に気に入られているだなんて……。

けれど田中さんはそう思わないようで、首を左右に振った。

「あの方は代表とは違い、自分の感情を表に出すのが苦手なだけなんです。意外と可愛いところもおありなんですよ?」

「……えっ!?」


可愛い!? あの副社長にそんな一面があるとは到底思えない。感情は素直に顔に出てしまったようで、田中さんはクスリと笑った。

「それと少なくとも副社長は小山さんに、好感を抱いているはずです。なんせあの方が我慢できず、噴き出すほどなんですから」

「ふっ、噴き出す……ですか?」
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