愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
驚き聞き返すと、彼女はにっこり微笑んだ。

「はい、一之瀬から承っております」


てっきり洋服だけかと思ったら、すべて手配してくれていたなんて。こんな素敵なところで全身コーディネートしてもらえるのは、すごくありがたいし嬉しいんだけど……いよいよ心配になる。お財布の中身が。

どうしよう、どれくらいかかるんだろう。いつ聞けばいい? 着替える前?

あたふたしてしまっていると、佐々木さんはピンときたのかクスリと笑った。

「それと一之瀬よりすべて前払いいただいております」

「……前払い、ですか?」

目をパチクリさせてしまうと、佐々木さんは大きく頷いた。

「はい。ですのでどうぞお気兼ねなくまずはご試着からどうぞ。カーテンの向こう側にご用意してありますので」
「え、あのっ……」


グイグイ背中を押され、あっという間にカーテンの奥へ進んでいくと、彼女の言う通り一着のドレスがハンガーにかけられていた。

淡いミントグリーン色で袖や裾にはレースがあしらわれていて、とても素敵だ。
< 93 / 319 >

この作品をシェア

pagetop