愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
話をしている間も彼女は手を休めることなく進めてくれていた。

「うん……とっても素敵です」

すべて終えた自分は本当に別人みたいで、まじまじと鏡を見てしまう。

「きっと一之瀬も、小山さまに惚れ直しちゃうと思いますよ」

「――え」

もしかして佐々木さん、私と副社長の関係を勘違いしている?

聞き返してしまった私に、彼女はキョトンとした。


「あれ……? 違いました? あいつがこんなこと頼んでくるなんて初めてのことなので、てっきりそういう仲なのかと」

そういう仲ってつまり、恋仲ってことですよね!?

「そんなとんでもないです! 私と副社長が、なんて恐れ多い!! 私はただの秘書です」

必死に弁解すると、佐々木さんは目をパチクリさせた。

「秘書さん……なんですね。それは失礼しました。あいつ……一之瀬とは従兄弟で昔からなにかと知っているものでして」

「従兄弟? ……副社長とですか!?」

びっくりして思わず大きな声が出てしまった。
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