カクシゴト
先生の車の中は少し香水の匂いがして、


凄くいい匂い。


もっと言うと、先生の匂いが濃かった。


車の色は黒で、とても綺麗だった。


「綺麗だろ?先月買ったばっかだからなっ」


私は助手席に座った。


だから、いつもより近く、同じ目線で話せるから、


いつもよりドキドキした。


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「松田…

アイス食わないか?」


先生がそういったのは学校から少し離れた場所についてから。


近くにはアイスクリームと大きく書いてあり、


先生は困った顔をしながらこっちを見てくる。


「いいですよ(笑)」


可愛いって思った。



店の中に入ると、いろいろな種類のアイスがあり、


私も先生もすごく迷った。



「俺塩バニラ!!」


ニコッと先生がいつもより嬉しそうに笑う。


「じゃあ、私はラムネ味!」


つられて私も笑顔になる。


財布を取り出したところで、先生は松田、後ろを向けと言ってきた。


向いたところで何もなく、


また前を向いたら先生が二人分のお金を払ってた。


「あ、お金っ、いくらでした??」

「内緒。

よし、行こう。」


アイスを受け取った後、


先生はスタスタと歩いていってしまった。


「今日練習つきあってもらったお礼!」


そう言いながら先生は私のアイスにスプーンを指した。


「ん〜うまっ

あ、安心しろ、新品だからっ」

「!!」


やばい、ドキドキが…。


「あ、松田も食っていいぞ?

塩バニラ超美味しいから!」

「でも、私スプーン使っちゃって…」

「気にしないぞ!」


そう言ってニコニコしながら私にアイスを向けてくる。


え、これ食べていいの?!


迷ってたら先生が


「あーもうスプーン貸せ!」


といって私のスプーンをとって、


自分のアイスをすくった後、


「よし、くえ!」


といってスプーンを向けてきた。


しかも、持つ部分じゃなくて、


アイスが乗っかってる方。


…アーンってやつかな…!?


恥ずかしくなって、


私は気持ちを紛らわすために


小さく咳をした後、アイスを食べた。


「すっげー美味しいだろ?」


あぁ、好き。
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