カクシゴト
_雨、やまないね。

_そうだね。
風邪ひかないように暖かくしなよ^^

_ありがと^_^
明日、お見舞い行くね。

_ありがとう、まってるよ。


五分おきぐらいのラインは、
いつだって私の胸をドキドキさせる。

どんな嫌なことがあっても、
さきのことを考えれば嬉しくなる。

はずなのに、
今私の隣にいるのはかずくんってひと。
名字も知らないような人と、
私は今喫茶店にいる。

「帰りたいんやけど。」

「だーめ。
ねぇ、ゆいちゃん、ゆいちゃんは
いつ秋桜ちゃんと仲良くなったの?」

「はぁ…。

中学入ってから、私ここに引っ越してきたけん、
友達おらんくて、1人でいたら
秋桜とみさきに話しかけられたっちゃん。」

「へぇ〜
よかったねぇ。」

「むかつく言い方やのぅ、
そろそろ雨やみそうやけん、帰るわ。」

自分が飲んだ分のジュース代として
お金を席において、バックを持って、
私は店を出る。

雨なんか、嫌いだ…。



次の日


_おはよう、今から向かうね

_おはよ、気をつけてね。
まってる。


『まってる』

その文字に反応してしまう自分が恥ずかしい。

いつもどうり、少しおしゃれをして
ルンルンな気持ちを隠してドアを開けると、

「なんで、おるん…」

かずくんって人がいた。
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