カクシゴト
「じゃあ、またね!」


買い物は無事終わり、解散となった。


「うん、ばいばい。」

「またな!」


駅から家までの道で、一番近いのはミサキ。


私と夕依はミサキの家の真逆にあるため、


3人で帰ったりしたことは無かった。


そうなるともちろん、帰りは夕依と2人。


「渡せるかな、プレゼント。」


袋のサイズは辞書とかと同じぐらいのサイズだった。


「渡せる!絶対渡そ!

応援しとるけんね!」


_________________


夕依の家から10分くらい歩くと私の家がある。


時間は6時。


普段はもっと遅くなるのに、


今日は早く帰ってきた。


「あれ?今日何か無かったっけ。」


考えてみてもわからなくて、


ひたすら歩き続けた。



家に着いて玄関に入ると、


いつもより靴が多くて、


この間のお兄ちゃんの言葉を思い出した。


『火曜に友達が泊まり来る。』


なるほど。


そっか、今日は火曜か。



リビングからは既に美味しそうな匂いがしてて、


ぐうっと私のお腹がなる。


「ただいま。」


そう言って私は自分の席につく。


リビングにいたのは


私とお母さんだけで、お父さんはまだ仕事だった。


お兄ちゃんの友達もいなかった。


「お母さん、お兄ちゃん達は?」

「上の部屋で遊んでるんじゃない?

あ、そうだ。

秋桜、秋人たち呼んできてよ。

晩飯って。」


秋人って言うのは私のお兄ちゃん。


わかったと言ったあと私はお兄ちゃんの部屋に向かった。
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