ずるい男 〜駆け引きは甘い罠〜

ただ、自分に気があった女が、他の男のものになっていた。


恋愛対象外だった女子高生が、大人の女になって現れた。


失恋とは違う、ショックを受けただけ…


だが、彼氏の浜田を差し置いて彼女の心を再び自分に向けれた満足感でよかったはずだった。


もう、会う事もないだろう…
しかし、俺を忘れないでくれ…
ふとした瞬間でいいから、俺を思い出し、淡い恋心を懐かしんでほしい。


いつまでも美姫の心に残る男であってほしいと、自分勝手な思いで別れた。


再び、出会うはずじゃなかった…


大学時代の友人が店を出したと聞いていて、たまたまお祝いに訪れた店内に彼女がいた。


店内に入ってすぐ、女の驚く声になんだと視線を向けると、そこにいたのは、再会すると思っていなかった女だった。


峯岸に気づき、声をあげ驚く表情がたまらなく愛しかった。


忘れないでいてくれた…


つい嬉しくて、心の中で何度も呼んでいたように彼女を呼んでしまったが、すぐに気がつき、ちゃん付けを忘れなかった。


だが、浜田がいない事で峯岸は大胆になっていた。


友人と気のおけない会話をしながら、美姫と会話する機会を探る。


どんな内容でもよかったのだ。
< 22 / 119 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop