ずるい男 〜駆け引きは甘い罠〜

まだ、手離せないと思っていたが、将来を誓う相手は俺じゃないのだから、彼女の為にも離れるべきだろう。


今までのように言えばいい…


ゲームは終わりだと


お互い楽しんだだろうと


だが、言葉が出て来ないのだ。


「浜田と幸せになれ」


美姫の頭上に口づけ、どんな表情をしているのかも見ずに玄関を急いで出て行く。


愛しいと思った女の幸せを願った。





背を向け出て行く峯岸を追いかけるなんてできなかった。


美姫を抱いた事で峯岸の中で美姫との背徳ゲームは終わったのだ。


浜田に気づかれたと言わなければ関係は続けれただろうか?


続けられたとしても、いつかは終わっていた関係だろう。


初めから、1度だけでいいと望んで抱かれた。


それが、足りないと言うように何度も求め、艶めかしい表情で体を貫く男は、美姫を愛しそうに抱いてくれた。


身体の内に残る峯岸の感触


美姫と切ない声で呼ぶ姿


肌に触れる手の感触


唇に残る熱は、峯岸をずっと忘れないだろう。


どんなハイスペックな男がいても、峯岸以上に魅了される男なんていないだろう。


彼以上に惹きつけられる男なんていないのだ。
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