ずるい男 〜駆け引きは甘い罠〜
昔から、女も勉強もスポーツも不真面目なくせに、峯岸より優れ、最後まで勝てなかった男からの誘い。
今の現状にあきあきしていた峯岸には、男からの誘いは魅力的で、1つ返事で承諾し今の会社を辞めた。
ただし、腑抜けな男になりさがっていたら、こちらからいつでも雇用を切れる契約を結び、フリーの秘書としてこの男の側にいる事にしたのだ。
奴が、副社長として飛鳥建設に戻るまで、いろいろな隠密作業を命じられる。
1つは、会社を守る為に…
もう1つは、好きな女を逃がさない為に…
秘書ではなく、探偵のようだと文句を言いながら、何かを企んでいる飛鳥 零にわくわくして、秘書以外の仕事を引き受ける一方で、美姫の存在が脳裏に浮かぶ。
俺たちの関係は、一途きの火遊びみたいなもの。
それなのに、彼女の肌の熱に夢中になり何度も抱き、この腕に抱きしめて眠った温もりが忘れられない。
別れを決意したあの日に見た、美姫の悲しい表情がいつまでも忘れられないのはどうしてなのだろう…
思い出す事もないと思っていたのに…忘れられないのは、きっと、愛に逆上せている男の影響かもしれないとごまかす事で、目を背け真実を知ろうとしなかった。
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