ずるい男 〜駆け引きは甘い罠〜

「送ってくれるだけ?」


「えっ…いいの?きっと、俺、久しぶりだから加減できないよ」


美姫の手をぎゅっと握り、反応を伺ってくる。


ただ、コクンと頷くだけでよかった。


店を出た2人はタクシーを拾い、美姫のアパートまで運転手の目を盗んでキスをした。


ただ、愛しむような触れるだけのキス。


だけど、今の美姫には物足りなかった。


何度、浜田とキスをしても脳裏から消えない男がいた。


どうして?


私の彼氏は浜田さんなのに…


そんなモヤモヤした気持ちのまま美姫のアパートに着くと、美姫は浜田の手を取り玄関に入るや否、自ら浜田の唇めがけキスを仕掛けた。


先ほどの触れるだけのキスじゃない。


浜田の首にしがみつき、口内を割り、舌を絡め欲情を煽るキスをする。


それでも、美姫の脳裏から消えてくれない男に苛立ち
浜田に懇願する。


「お願い、今すぐ抱いて」


美姫の行動に驚きながらもキスを味わっていた浜田だったが、彼女の言葉に目を見開き驚いていた。


「ベッドまで連れてくよ」


抱き上げようとする手を止め、男の手を服の上から胸を触らせ、また、美姫からキスをすれば浜田は男の理性を飛ばし美姫をその場で抱いた。
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