私はあなたの恋愛相談相手~この思いを胸に秘めて~
その時。
「あ!馨くん。探したんだよ?ここにいたんだ」
と、鈴を転がしたような可愛らしい声が聞こえ、私も馨も同時にその方向を見る。
「あ、鞠子先輩」
長く艶のある黒髪に白い肌。
まるで小動物のような可愛らしさを持つ彼女。
いつ見ても可愛いなぁ、鞠子先輩。
私もチキン南蛮を食べていた手を止め、彼女を見つめた。
噂じゃ、性格も温厚で後輩からも人気があるらしい。
馨も好きになるわけだわ。
「一緒にお昼食べようと思って探してたんだーあ、えっと…」
言葉を濁し、チラリと、困ったように私を見る鞠子先輩。
「あ!ごめんなさい。私のことは気にしないでください。あっちの方に座るんで」
ガタッと、勢いよく立ち上がり、私は鞠子先輩に微笑みかけた。
「悪い。結茉」
口パクでお礼を言う馨にも笑顔を向け、私は学食の隅に移動する。