私はあなたの恋愛相談相手~この思いを胸に秘めて~
ようやく席を見つけ、私はお盆を置き、ハァと、小さくため息を溢した。
チラリと、横目で先ほどまで自分がいた席を見ると、馨と鞠子先輩が楽しそうに談笑している姿が目に入る。
…鞠子先輩なら、しょうがないよね。
そう頭では理解してるはずなのに、二人を直視できない自分が嫌になる。
すると、
カタンと、椅子を引く音が聞こえた。
どうやら、誰がが自分の前の席に座ったようだ。
「結茉じゃん。どうしたの、一人で。馨は?」
私の名前を呼ぶ聞き覚えのある声に私は、バッと、顔を上げる。
「万純~会いたかったよー」
ガバッと、抱きつく私。
万純こと、河村万純は、去年同じクラスで仲がよかった女友達だ。
残念なことに、今年はクラスが離れてしまったのだけれど。
「何?どうしたん?…馨は…って、あぁ。そういうこと」
どうやら、私の視線から鞠子先輩と仲良く話す馨の姿を発見したようだ。
「アイツ、今度は誰と付き合い始めたの?どうせすぐに別れるのに…てか、結茉…あんたまさか、また、馨の恋愛相談のったんじゃないでしょうね」