私はあなたの恋愛相談相手~この思いを胸に秘めて~

その後、万里くんと一緒に合流地点には向かう。

道中、さっきまでの出来事はなかったことのように振る舞ってくれる万里くんのおかげで気まずくならずに済んでいた。

本当に大人な対応の彼には頭が下がる。

「あ!2人ともこっちよ」

鞠子先輩が私と万里くんに気づき声をかけてくれるが、

バチッ

と、近くにいる馨と目が合う。

何か言いたげに私を見つめる馨は、万里くんの姿を見て、スッと視線をそらした。

そしてなぜかその後は、一切こちらを見ることなく鞠子先輩と楽しそうに話をしている。

何なのあの態度、、。

馨の態度にモヤモヤしている私と裏腹に

「じゃあ、最後に観覧車乗って帰ろっか」

鞠子先輩はそんな提案をして観覧車を指差した。

観覧車か…ちょっと苦手なんだよね。

実は私、少しだけ高所恐怖症。

一瞬の爽快感が勝るジェットコースターは得意で高くても問題ないのだが、ゆっくりゆっくり上っていく観覧車は昔から苦手。

それに、ちょっとした風でも揺れるゴンドラが怖いのだ。

< 142 / 155 >

この作品をシェア

pagetop