私はあなたの恋愛相談相手~この思いを胸に秘めて~

何か言わないとと頭の中ではわかっているのに、今の気持ちをどう言葉にして伝えればいいのかわからなくて、黙り込んでしまう。

すると、

「…ごめん、困らせた」

「…ちが、えっと…」

「結茉にはもうアイツがいるのにな…先輩たち迎えに行こう」

馨が私を気遣うように小さく笑い、さっきまで掴んでいた私の腕をそっと離した。

その表情に思わずズキッと、胸が痛む。

だめだ、今ちゃんと話さないと…。

そう思って観覧車の方向に歩き出す馨を引き止めようとした時、

「お待たせ!2人とも待たせてごめんね」

鞠子先輩の明るい声が聞こえてきた。

パタパタと、小走りで私達に駆け寄ってくる鞠子先輩。

その後ろからため息をつきながら戻ってくる万里くん。



< 154 / 155 >

この作品をシェア

pagetop