私はあなたの恋愛相談相手~この思いを胸に秘めて~
「実は、さ…俺」
馨は、言いにくそうに口ごもる。
「…うん、何?」
そんな彼の態度に、徐々にドキドキと、高鳴る鼓動。
しかし、
「…好きな人できたんだ、結茉も知ってるだろうけどさ。同じクラスの向坂なんだけど…」
この一言で私は一気に奈落に突き落とされた。
「え…向坂さんって、美紀ちゃん…のこと??」
サーっと、血の気が引いていく。
「そうなんだけど。結茉、向坂と結構仲良いだろ?だから…紹介してほしいな、なんて。」
目の前が真っ暗になった気がした。
「へぇ…そ、そうだったんだ!馨がねー美紀ちゃんを…そっかぁ。私、全然気づかなかった」
…ダメ。今は、笑えない。
笑顔をつくってはみるものの気を抜いたらきっと、泣いてしまいそうで。
私は必死に堪えた。