私はあなたの恋愛相談相手~この思いを胸に秘めて~


わかっている。


優しい万里くんがあの時、空気を読んで"彼氏のフリ"してくれたこと。


「本当に…迷惑かけてばっかりでゴメンね」


と、私は、もう一度、万里くんに向かって深々と頭を下げた。


文句の1つや2つ言われても当然のことをしたんだから、正直。彼からの次の言葉が怖かった。



恐る恐る顔を上げて万里くんに向き直った瞬間、


「…はぁ」


と、彼の口からは小さなため息。



…そっか。怒ってるんじゃなくて…呆れられたんだ…。



そう思ってショックを受けていると、



「……あのさ、結茉ちゃん、スマホ出して」



なぜか、万里くんは、そう言って私の方に手を伸ばしてきた。





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