ずるくて苦い
その頃は子供部屋で息を潜めるように生活し家族の様子を伺いながら生活していました。

そして殴られた後や暴言を吐かれた後は声を殺して部屋を真っ暗にして泣きました。

母は私が泣くともっと怒るからです

私が泣くと母は気持ち悪いとよく言いました

だから私はバレないように泣いていた

母からの暴力はある時期から慣れたというかコツを覚えるようになりました

息を止め痛みが遠い感覚になっていくそんなイメージで本当に耐えれるようになっていったのです

それでも耐えられない事もありました

言葉だけは慣れる事も逃げる事もできなかった

死ねばいい

いらない

気持ち悪い

アンタに親戚の人が優しいのは可哀想な子だと思ってるからだ

アンタのせいでお腹の赤ちゃんが死んでしまう

そのどれも私は忘れた事がない

死ねと言われた時どんなに死にたかったか

いらないと言われた時どんなに辛かったか

気持ち悪いと言われた時どんなに悲しかったか

誰も信じれなくなった

死ねない自分を責めて誰か殺しにきてと願った

私が悪い子だから愛されない

ごめんなさいと何回も謝った

母がいない暗闇にずっと呟いていた

きっと母は覚えていないだろう
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