ずるくて苦い
夕方の教室

その日あかねが1人教室に残っているのを見つけた

「あかね?」

ビクッとしてこちらを見たあかねは涙ぐんでいて

私は何故か綺麗だと思ってしまった

でも手に持っているカッターが目に入り危ないと思った

「あかね危ないからそれ置きなよ」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「夏奈は苦しくなる事ないの?」

「え?・・・あるよ」

「別に死ぬとかじゃないのコレするとの心が軽くなるの・・・だから安心して」

「そっか・・・・・・」

私はそれ以上何も言えなかった

そしてあかねにそばに来てと手招きされ初めてリストカットを知った
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