ずるくて苦い
あんなに怒る母は久しぶりだった

大声で怒鳴り私を蹴った

でも私は昔のように遠い場所にいる感覚がしていた

遠い場所で自分と母のそれを眺めていた

私は母に言い返しているようで

母は一瞬怯みそしてキッチンから包丁を持って戻ってきた

そんなに死にたいなら死ねよ

そんな事を言っていた気がする

私は殺されるならそれもいいと思っていた

なのに母は私を見て何も言わず包丁を置いた

殺してくれないのか・・・

そう思ったのを覚えてる
< 21 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop