塹壕の聖母
「アッレス・カヴート(もう、何もかも終わりだ…)」
外から奴の声が聞こえてきた。
「ヤメロー・殺すな・ヤメロー」
しかしその声の後に奴の呻き声が聞こえた。
窓から見えた。奴が数人の赤軍兵士に銃で殴られていた。
廊下から足音が聞こえた。数人の足音が騒がしくこの部屋に向かってきた。そして扉
が乱暴に開いた。
赤軍兵士の数人が入ってきた。手には銃を構えていた。一人の赤軍兵士がそして扉の近くの壁にもたれていた男に銃を向けた。
男は呆然とした顔をしていた。
そして、銃声がなった。男はこめかみから血を流していた。
その行動を見ていたほかの者が奇声を上げた。俺はただ呆然と見ていた。
そのまま赤軍兵士達は分かれてこの部屋にいた者達を撃ち始めた。
叫び声が部屋に響いた。それと同時に銃声が響いた。
この部屋はほとんどが動けない者だった。
「撃つなー」
奴の声がまた聞こえた。しかしその声は弱々しかった。
俺は一瞬だけ窓を見た。奴は鼻から血を出し、顔が痣だらけだった。奴はそのまま赤軍兵士に腕を持たれ引きずられた。
声は聞こえなかった。しかし奴の口は微かに動いていた。
俺は無意識に胸ポケットに手を当てていた。胸ポケットには奴の書いた絵が入っていた。
銃声が俺の耳元で響いた。銃声のした方を向いた。隣の男が血を流して倒れていた。
次は俺か・・・。
奴が言っていた。
この戦争は人間の善悪の基準は完全に壊れた。ドイツは今は総統の価値がすべてだ。
どれだけ狂おうとも・・・
今俺たちがやっている戦争が今の人間の心の表れだ。
もう一つの手で十字を切った。
俺は今まで、神に祈ったことがない。奴に会ってからもロクに神について考えたことがなかった。
しかし、どれだけ世界が狂おうとも、絶対的な価値がある。それは・・・
俺は天井を見ながらあいつの書いた絵に書いてあった言葉を言い続けた。
「光・命・愛」
赤軍兵士は俺の前に来て、銃を向けた。
そして銃声がなった。
俺はこの街のガレキの一部となった。できればあの絵の一部になりかった。
外から奴の声が聞こえてきた。
「ヤメロー・殺すな・ヤメロー」
しかしその声の後に奴の呻き声が聞こえた。
窓から見えた。奴が数人の赤軍兵士に銃で殴られていた。
廊下から足音が聞こえた。数人の足音が騒がしくこの部屋に向かってきた。そして扉
が乱暴に開いた。
赤軍兵士の数人が入ってきた。手には銃を構えていた。一人の赤軍兵士がそして扉の近くの壁にもたれていた男に銃を向けた。
男は呆然とした顔をしていた。
そして、銃声がなった。男はこめかみから血を流していた。
その行動を見ていたほかの者が奇声を上げた。俺はただ呆然と見ていた。
そのまま赤軍兵士達は分かれてこの部屋にいた者達を撃ち始めた。
叫び声が部屋に響いた。それと同時に銃声が響いた。
この部屋はほとんどが動けない者だった。
「撃つなー」
奴の声がまた聞こえた。しかしその声は弱々しかった。
俺は一瞬だけ窓を見た。奴は鼻から血を出し、顔が痣だらけだった。奴はそのまま赤軍兵士に腕を持たれ引きずられた。
声は聞こえなかった。しかし奴の口は微かに動いていた。
俺は無意識に胸ポケットに手を当てていた。胸ポケットには奴の書いた絵が入っていた。
銃声が俺の耳元で響いた。銃声のした方を向いた。隣の男が血を流して倒れていた。
次は俺か・・・。
奴が言っていた。
この戦争は人間の善悪の基準は完全に壊れた。ドイツは今は総統の価値がすべてだ。
どれだけ狂おうとも・・・
今俺たちがやっている戦争が今の人間の心の表れだ。
もう一つの手で十字を切った。
俺は今まで、神に祈ったことがない。奴に会ってからもロクに神について考えたことがなかった。
しかし、どれだけ世界が狂おうとも、絶対的な価値がある。それは・・・
俺は天井を見ながらあいつの書いた絵に書いてあった言葉を言い続けた。
「光・命・愛」
赤軍兵士は俺の前に来て、銃を向けた。
そして銃声がなった。
俺はこの街のガレキの一部となった。できればあの絵の一部になりかった。