塹壕の聖母
火が建物に向かって放たれた。それと同時に建物中から悲鳴が聞こえた。

建物が炎に包まれた。中から悲鳴がこだまする。

見慣れた光景。最近はこの状態が続いていた。

共産主義から祖国を守るため、祖国の栄光のため遠いこの地で俺は戦っていた。

そのとき燃えている建物の入り口からかが走ってきた。

それは火達磨になった、赤軍兵士だった。

それは叫び声をあげながら、俺達に向かってきた。数人がそれに向かって銃を撃ってが、止まらずに一人の兵士に抱きついた。

抱きつかれた兵士はそのまま火が移り地面に倒れながらもがいていた。

ほかの兵士が急いで火を消そうと駆け出していた。

この戦争はすぐに終わる。あのフランスでも簡単に終わった。弱兵イワン共など。

誰も思っていた。しかし・・・

「ウラーーーーーーー」

建物から声が聞こえた。建物中から赤軍兵士が出てきた。

















< 4 / 9 >

この作品をシェア

pagetop