王子様の溺愛【完】※番外編更新中
「今日はこの辺にしようか」


夕方の五時を過ぎた頃、依人の一言で勉強会はお開きとなった。


どうして依人と過ごす時間は瞬く間に過ぎていくのだろうか。


「そうですね」


まだ帰りたくない、もう少し一緒にいたいのが本音だが、依人を困らせてはいけないと心の中で言い聞かせながら帰る支度を始めた。


「送るよ」

「一人でも帰れますよ?」


縁は依人の時間を奪ってはいけないと断りを入れるが、依人は首を縦に振ることはなく、呆れ気味に嘆息した。


「俺がいない所で縁が危険な目に遭うのは嫌なんだよ。だから大人しく送られて?」

「はい……」


真剣な眼差しを向けられて、縁は断り切れずに依人に送られることとなった。


(あたしがもう少し大人になれたら、こんなに心配かけられることはないのかな?)


縁は依人に釣り合うような大人の女性になりたい……と強くと感じたのだった。




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